今から10年前、1人の女性がたった10本の口紅でメイクアップの世界に革命を起こしました。彼女の名はボビーブラウン。若干33歳にして自らの名を冠したブランドを立ち上げ、世界の一流化粧品メーカーと肩を並べるまでに育て上げたトップ メイクアップ アーティスト。幼いころから化粧品に興味を示していたボビーブラウンは、5歳の頃、母親のメイク道具を持ち出して自分の顔や洗面台にらくがきをしたことも。この様子を見た両親は、娘に使いかけの化粧用品一式を与えたといいます。それからというものボビーブラウンは化粧品遊びに没頭、ますますメイクへの関心が強くなっていきました。大学で舞台メイクを学んだボビーブラウンは卒業後、メイクアップ アーティストとしてのキャリアをNYでスタート。その独創性と驚異的な仕事の早さでたちまち評判になり、デビュー後わずか7年で米ヴォーグ誌の表紙撮影に携わる事となったのです。
たった10本の口紅から超人気ブランドへ
学生時代から様々なメイクアップ製品を試してきたものの、肌に自然になじむカラーにはなかなか巡り会えなかったというボビーブラウン。モデルの個性を最大限に生かせる製品を探し求めた結果、自らブラウンベースの口紅を創り出すことに。
1991年、ついにニューヨークの老舗百貨店でデビューを果たしました。化粧品売り場の一角で、たった10本の口紅だけでスタートしたボビーブラウンは、世界の有名ブランドが軒を連ねる中、オープン後わずか3ヶ月で売り場のトップセールスを記録したのです。
今でこそベージュやブラウンベースの口紅は主流になっていますが、フューシャピンクやヴィヴィッドな系統が主流だった当時、彼女の考案した製品たちはとても画期的な存在だったのです。
欠点を個性に変える、ボビイのビューティー哲学
ボビーブラウンが提案するのはいわゆる“パーフェクト ビューティー”ではなく、「欠点こそがその人を表現する美しさのアイデンティティ」という考え方です。一見欠点だと思われがちな部分を生かした彼女のメイクは、自分の顔にコンプレックス抱える多くの女性に希望を与えました。そして競って女性を華美に飾り立てようとしていた、当時の化粧品業界に新しい風を吹き込んだのです。